今は、どこに行っても「ヤリイカ」です。
「剣先イカ」が捕れません。
そういう時期です。
「イカの旬はいつですか?」
とよく聞かれます。
「
ヤリイカ」は今です。
そう3月くらいまでは、ガッツリ捕れます。
そのうち「
コウイカ」(墨イカ)が出てきます。(もう見かけますけど)
これも旬を迎えます。
「コウイカはサクラが咲くまで」と言われます。
確かに味も落ちてきます。
その頃までには、「剣先イカ」(須佐男命いか)が捕れ始めている頃です。
春から夏にかけ産卵期の「剣先イカ」が、
そこから先は又来年の1月位まで捕れます。
ん!なんで??
他のイカは、そんな短い旬の期間なのに、
「剣先イカ」は常に同じ旬の状態なの?
そんなわけありません。
時期や漁場でも違ってきます。
イカの生態研究はそこまで進んでおらず、
他の回遊性の魚みたいに、
タグをつけて追跡調査というのもできないので
(あ、でも最近の技術ではできそうですね。)
どの辺で何やって暮らしとるん?という疑問は、
基本的には漠然とした推論・仮説が跳梁跋扈しています。
前回「
イカの分類」でヤリイカ科のなかにある剣先イカですが、
実際には更に分類されており
# ケンサキイカ属 Photololigo
igo
* ケンサキイカ Photololigo edulis
is
* ブドウイカ(シロイカ) Photololigo edulis forma budo
ma budo
* ヒラケンサキイカ Photololigo chinensis
nsis
* アジアジンドウイカ Photololigo duvauceli
uceli
* ヤセヤリイカ Photololigo singhalensis
s
これ以上分類することはどうなんかとも思いますが、
実際は、これでおさまるとは思えない事例がたくさんあります。
それとは別に人間を味で分類すると、どうなるのかな?
などと飛躍して考えたことがあります。
地域によって体の成長が違うというのは
「北海道のどさんこ」と「沖縄のうみんちゅ」の
体つきを比較するようなものなのか??
汗をたくさんかく南方の生まれの人は、
それを受け流すよう眉毛が濃くなった・・・・・・とか
環境や食に影響を受け、
体質や耐性・遺伝子そのものが
世代を積み重ねながら変化していき、
顔つきさえも地方性というのが昔は(今も?)あった・・・・とか
まさに「身土不二」!
現代はその地域差が、
「食」や人の移動、画一化された環境など、
「日本全国くまなくもれなく均一に!」的な
時代の流れのおかげで、なくなりつつあります。
純国産霜降り中年おやじのはらみ肉と、
次代を担う若いオリンピック候補の鍛え上げたバラ肉、
ちゃんこでガッツリ!意外に脂質を抑えてある関取の大トロ、
ジャンクフードでヒッキーなブロイラー生活の若者の白身腹肉、
粗食かつ高次元な悟りを持った、お坊様の尊いおなか肉
・・・・・・・・・・・・ん?
こんな比較はできても、
(できるか?)
地域間での比較は意味をなさなくなってきました。
ただ、イカなど自然界の動植物で、
養殖や地球温暖化の影響などというものを除けば、
「身土不二」という考えは、まだまだ当てはまると思っています。
群れを成し、遺伝子に従い、
成長し繁殖しそして死んでいくといったサイクルを
ひたすら繰り返す。
そんな、自然の中のイカは純粋に環境に適応して今の姿や生態がある。
成体に差があるなら、異種であると個人的には思うのですが、
細かく分類するも、同種類にまとめてしまうも、人間の都合。
「所かわれば、味も違う」となれば、
ご当地イカで楽しみながら食の旅が出来るというもの。
山口県の北浦で捕れる「剣先イカ」それも「須佐男命いか」が、
そこでしか味わえないものなら、当地へ行く楽しみもひとしお。
須佐一本釣り船団のイカのプロ集団が1年中追いかける「須佐男命いか」
今年も、また春から騒がしくなる。
この男衆に会いに、「男命いか」を求めて大勢の人がやってくる。
ここ須佐でしか味わえない楽しみを求めて。
それが楽しみ。(^^)